第1回公募の最優秀アーティスト受賞者である佐藤理氏は、PC用アドベンチャーゲーム「中天」を95年10月に発売しました。94年の「東脳」同様、佐藤氏独特な世界観を絵と音で深く味わうことのできる作品となっています。「中天」の発売以外にも、音楽CD、ビデオCDの発売、「東脳」の海外発売等、佐藤氏はさまざまな分野で幅広く活躍しています。 佐藤理(さとう おさむ)プロフィール 1960年京都生まれ。コンピュータ・アーチスト。京都エ芸繊維大学・嵯峨美術短期大学卒業。 1988年 アウトサイドディレクターズカンパニー(OSD)を設立。メディアにとらわれないさまざまな仕事の企画・デザインを手がける。 1993年ソニー・ミュージックエンタテインメント主催のDEP'93において人物部門最優券アーティストとなる。 1994年 DEP作品部門で最優券となったMacintosh用CD-ROMソフト「東脳」発売。マルチメディア・アーティストとして本格的に活動開始。 1995年10月 三部作の第2弾「中天」発売。 1995年12月 欧米において「東脳」(英語版タイトルは「EASTERN MIND」)発売。 主な著作・作品集:「コンピュデザイン」(グラフィック社)、「The Alphabetical Orgasm」(Gallery Tierrart)など。 中天(CHU-TENG) 不思議な宇宙迷宮を駆けぬけるオリエンタルSFアドベンチャー。 (ストーリー) 中天の宇宙は、光に輝く三角世界だった。そこには不思議な生物が光量を競い合って生きていた・・・ 昔昔、はじまりの宇宙には開ばかり。そこへ太陽と月と星とがやってきて、光輝く三角の宇宙「中天」をつくりだした。輝く光は中天へ、漆黒の開は外天へ。宇宙は光と開に二分された。天上世界にある、光の三角「中天」。日の宮タイヤン、月の宮コイイン、星の宮スインシン。3つの宮が放つ光の力により守られていた中天世界の均衡が破れ、中天へ闇が忍び寄ってくる。物語はそこから始まる。 Macintosh対応CD-ROM SRRG-10 Windows対応CD-ROM SRRG-11 1995年10月21日発売 ¥7800(税別) 東脳(TONG NOU) 末だかって類のない、オリジナリティーあふれるCG(コンピュータ・グラフィックス)で描き出されたオリエンタル・インタラクティブ・アドベンチャー (ストーリー) ある朝、リンは自分の魂がなくなっていることに気づいた。それは、東の果ての島「東脳」のしわざらしい。リンは自分の魂を取り戻すことを決意した。旅立つ前に、社(やしろ)で白蛇から風呂敷とお守りを、社の老人からは仮の魂を授かって、リンは、自分の魂を取り戻すため「東脳」の島へ向かう。 Macintosh対応CD-ROM SRRG-8(再発) Windows対応CD-ROM SRRG-9 1995年10月21日発売 ¥7800(税別) EQUAL 佐藤理のソロアルバム第2弾! さまざまなデジタルの手法を用い、世界中のアーティストとのコミュニケーションにより制作された、ネットワーク・テクノアルバム。リミキサー陣には、Future Sound of London、GOH HOTODA、Luke Vibertなど多数参加。また、インターネットを使った坂本龍一とのコラボレーションを含む全10曲。 1995年10月21日発壳 SRCL3396 ¥2800(税込) ビデオCDインタラクティブ・ムービー THE ESOTERIC RETINA ジ・エソテリック・レティナ「秘密の網膜」 眼前に展開する日常の光景が、佐藤理の網膜を通じたビジュアルにすり変わってしまう、異色の疑似体験ソフト! 1994年11月21日発売 SRIW104 ¥4800(税込) TRANSMIGRATION Macintoshでのデスクトップミュージック的制作手法と、808、303からEMSまでのビンテージシンセの融合から生み出された、無国籍的でかつ過激なハイブリッド・テクノ。トランス・サウンドからアンビエントまで、常にマルチメディアな佐藤理は、時代の縦軸・横軸をも超越するのか。完全生産限定盤は、佐藤理制作のデジタル・ポートフォリオCD-ROM(for Mac)との2枚組仕様。 1994年10月21日発売 CD&CD-ROM2枚組(完全生産限定) SRCL 3013 3014 ¥3500(税込) 通常盤SRCL 3015 ¥2500(税込) 94年5月に発売されたマッキントッシュ対応CD-ROM「東脳」は、その独特の世界観、キャラクターデザインが、早くから海外で高く評価されていた。 そしてSony Music Groupの海外セクションであるSony Imagesoft(現Sony Interactive Entertainment)が、英語版として全米で発売することを正式に決定した。 タイトルは「EASTERN MIND-The Lost Souls of TONG NOU」。 また発売に際して、アメリカ側においてウインドウズバージョンを制作、これが逆ローカライズ化され日本でも発売されることとなった。 95年5月にロサンゼルスコンベンションセンターにて開催されたE3(Electronic Entertainment Expo'95)において、Sony Imagesoftの出展ブースでは「EASTERN MIND」が大々的にクローズアップされ、佐藤氏自身も出席、会場内においてWired、Mondo、Mac User、Wall Street Jurnal[sic]等アメリカのジャーナリスト達のインタビューを受けた。 アメリカにおける正式なリリースは95年12月。 同時期サンフランシスコにおいて、発売記念パーティが開催され、佐藤氏のグラフィックの作品も日本から空輸して展示され、地元アーティストを始めとする人々の注目を集めた。現在第2弾「中天」の英語版発売も計画されている。